庭を芝生にする前に知っておきたい!メリット・デメリット、DIY費用やお手入れ

庭を芝生にする前に知っておきたい!メリット・デメリット、DIY費用やお手入れ

庭の芝生がみせる美しい緑の空間は、家族やペットが快適に過ごす場所としてとても人気があります。一方で、庭を芝生からタイルやウッドデッキに変えたいというお声もよく耳にするのが実情です。

この記事では、芝生のメリット・デメリットや選び方、DIYにかかる費用、そして日々のお手入れまで、芝生の庭づくりに関する情報をご紹介します。

目次

芝生のある庭の魅力とメリット

芝生の庭には、見た目の美しさだけでなく、住環境の快適性を高めたり家族の暮らしの質を向上させる多くのメリットがあります。

青々とした芝生の癒しと安らぎの効果

鮮やかな緑色の芝生は、見るだけで心を落ち着かせる効果があります。日々の忙しさから離れ、自宅の庭でリラックスできる空間は、現代の忙しい生活の中で貴重な癒しの場となるでしょう。

緑色には心理的にリラックス効果があるとされており、芝生の上で過ごす時間は心身のストレス軽減に役立ちます。

また、芝生は足裏からの感触も心地よく、裸足で歩くことで自然との触れ合いを直接感じることができます。これは「アーシング」とも呼ばれ、心身の健康に良い影響を与えると言われています。

子どもやペットが安全に遊べる空間

芝生は、小さなお子さんやペットにとって理想的な遊び場を提供します。コンクリートやタイルと比べて衝撃を吸収するクッション性があるため、転んでも怪我のリスクが軽減されます。

子どもたちにとって、芝生の庭は創造性を育む素晴らしい場所となります。ボール遊びやかけっこ、バドミントンなど、様々な外遊びを安心して楽しむことができます。

夏には小さなビニールプールを出して水遊びをしたり、簡易テントを立てて「庭キャンプ」を楽しんだりすることもできるでしょう。

犬などのペットにとっても、芝生は快適な環境です。走り回ったり、ボール遊びをしたりと、十分な運動ができます。

庭の景観を美しく整え、温度調節にも効果的

芝生は庭の景観を美しく整えるだけでなく、住まい全体の印象を格段に向上させます。年間を通して美しい緑の空間を維持することで、家の外観に統一感と清々しさを添えてくれます。

さらに芝生には温度調節効果もあります。夏場、コンクリートやアスファルトは熱を吸収して周辺温度を上昇させますが、芝生は太陽熱を反射し、水分を蒸発させることで周囲の温度を下げる効果があります。環境にもやさしい選択と言えるでしょう。

庭を芝生にするデメリット

芝生の魅力的なメリットの一方で、継続的なお手入れや季節ごとの対策など、導入前に理解しておくべきデメリットも存在します。

維持管理の手間と費用

芝生を美しく保つためには、定期的なお手入れが欠かせません。特に日本の高温多湿な気候では、雑草の生育が早く、芝刈りや水やりといった作業が頻繁に必要になります。

芝刈りは、生育期には1〜2週間に1回程度行う必要があります。特に夏場は成長が早まるため、作業頻度が増すでしょう。芝刈り機などの道具を購入する初期費用(15,000円〜50,000円程度)に加え、電気代や燃料費、メンテナンス費用も考慮する必要があります。

水やりも欠かせない作業です。特に新しく張った芝生や乾燥期には、定期的な水やりが必要となり、季節によっては水道代が月に数千円増加することもあるでしょう。

また、肥料、除草剤、殺虫剤といった薬剤の購入費用も必要です。これらの維持管理にかかる費用と時間を事前に把握しておきましょう。特に、日々忙しい方や長期間留守にすることが多い方は、後述する省管理型の品種を選ぶなど、芝生について慎重に検討されることをおすすめします。

雑草対策や害虫対策

芝生の庭は雑草が生えやすい環境のため、定期的な除草作業が欠かせません。特に日本の気候では、梅雨時期から夏にかけて雑草の生育が活発になります。

手作業での除草は時間と労力がかかり、特に広い庭では大変な作業となります。除草剤を使用する場合は、環境への影響や子どもやペットへの安全性を考慮する必要があります。特に小さなお子さんやペットがいる家庭では、使用する薬剤の選択に注意が必要です。

また、芝生は害虫の住処になりやすいという側面があります。コガネムシの幼虫(通称:芝食い虫)やナメクジ、ダンゴムシなどが発生しやすくなります。害虫被害を受けると、芝生が部分的に枯れたり、根が食べられたりして、美観を損なう原因となります。

害虫対策としては、定期的な観察と早期発見、適切な殺虫剤の使用などが必要になりますが、これらも管理の手間とコストを増加させる要因となるため、事前に把握しておきましょう。

環境に合う芝生選びが必要

芝生は環境によって生育状況が大きく変わります。日照条件、土壌の状態、地域の気候に応じて、最適な芝生の種類を選ぶ必要があります。

日陰が多い庭では日本芝が育ちにくく、半日陰に強い西洋芝が選ばれることもあります。逆に、夏の暑さが厳しい地域では、耐暑性に優れた日本芝の方が適している場合があります。

また、土壌の排水性が悪い場所では、芝生が根腐れを起こしやすくなります。事前に土壌改良や排水対策が必要になることもあるでしょう。

自宅の環境条件に合わない芝生を選んでしまうと、芝生が十分に育たず、枯れたり病気になりやすくなったりする場合もあります。環境に適した芝生選びは、豊かなお庭づくりの成功を左右する重要なポイントといえます。

芝生の種類と特徴

先述の通り、芝生には様々な種類があり、それぞれに特徴や適した環境条件が異なります。自宅の環境や生活スタイルに合った芝生を選ぶことが、美しい庭づくりの第一歩となります。主な芝生の種類とその特性を詳しく見ていきましょう。

日本芝(高麗芝、野芝など)

日本芝は、日本の気候に適した暖地型の芝生です。主に高麗芝(コウライシバ)と野芝(ノシバ)が一般家庭で使われています。

高麗芝(コウライシバ)

高麗芝は最も一般的な日本芝で、葉が細く美しい緑色をしています。耐暑性と耐寒性のバランスが良く、日本全国で広く利用されています。踏圧に強いため、頻繁に歩く場所にも適しています。高麗芝は地下茎で横に広がる性質があり、一度定着すると密度の高い芝生となります。

価格は品質によって異なりますが、1平方メートルあたり数百円〜2,000円程度で、ホームセンターや園芸店で入手可能です。

省管理型コウライシバ

トヨタ自動車(株)が開発した省管理型コウライシバTM9(ティーエムナイン)は、草丈が5cm程度と従来の高麗芝の2分の1ほどで、「伸びない」ことが大きな特徴です。葉の生長が遅いため芝刈りの回数は年に1~2回、肥料も半分以下に抑えられます。

また、葉色が濃く色鮮やかなことや、葉が柔らかく素足で歩いても痛くなりにくいことも利点といえます。ホームセンターや園芸店で購入が可能で、1平方メートルあたり1,200~3,000円程度です。

野芝

野芝は高麗芝よりもさらに丈夫で、乾燥や栄養状態の良くないの土壌でも育ちます。葉は高麗芝より幅広で、色も若干淡い緑色をしています。管理の手間が少なく済むため、手入れにあまり時間をかけられない方におすすめです。

ただし、見栄えは高麗芝より劣ると言われています。価格は1平方メートルあたり数百円〜2,000円程度です。

日本芝の特徴として、冬季に休眠して茶色くなるという点があります。これは枯れたわけではなく自然な生育サイクルで、春になるときれいな緑色に戻ります。また、日本芝は日当たりを好むため、半日陰や日陰の環境には不向きです。

西洋芝(ケンタッキーブルーグラスなど)

西洋芝には大きく分けて「寒地型」と「暖地型」があります。寒地型の西洋芝は、北海道や東北地方、または標高の高い地域に向いています。

寒地型の代表的な西洋芝であるケンタッキーブルーグラスは、鮮やかな青緑色が特徴で、見た目の美しさから人気があります。柔らかく繊細な葉を持ち、均一で密な芝生が特徴です。冬でも緑を保つため、一年を通して緑の庭を楽しみたい方に適しています。価格は種子から育てる場合、1平方メートルあたり数百円程度です。

他にもトールフェスク、ペレニアルライグラスなどの種類があり、それぞれ特性が異なります。トールフェスクは耐暑性・耐旱性に優れ、ペレニアルライグラスは発芽が早く初期生育が良いという特徴があります。

西洋芝の欠点は、日本の高温多湿な夏に弱いことです。特に本州以南では夏バテを起こしやすく、特別なケアが必要になります。また、日本芝に比べて病害虫への抵抗性が低い傾向にあります。そのため、定期的な肥料や薬剤散布など、より手厚い管理が求められます。

人工芝

天然芝の管理の手間を避けたい方には、人工芝も選択肢の一つです。近年の人工芝は見た目や触感が天然芝に近づいており、メンテナンスの少なさから人気が高まっています。

人工芝の最大のメリットは、水やり、芝刈り、施肥、除草などの定期的なメンテナンスが不要な点です。一度設置すれば、数年から10年以上にわたって美しい緑を保ちます。雨の日でも泥だらけにならず、冬も緑を保ち続けるため、年間を通して常に美しい庭を維持できます。

品質によって大きく価格差があり、1平方メートルあたり3,000円程度のものから10,000円を超えるものまであります。高品質なものほど天然芝に近い見た目と触感で、耐久性も高くなります。例えば、パイル(芝の部分)の長さが30〜35mm程度あるものは、より天然芝に近い見た目になります。

デメリットとしては、初期費用が高いこと、夏場は天然芝より熱くなりやすいこと、そして経年劣化による交換が必要になる点が挙げられます。

芝生にかかる費用相場

芝生の導入を検討する際、費用面は重要な判断材料となります。業者に依頼する場合とDIYで行う場合では、かかる費用に大きな差があります。それぞれの費用相場を詳しく解説します。

業者に依頼する場合の費用

芝生の施工を専門業者に依頼する場合、作業の確実性と品質は高まりますが、それに伴いコストも上がります。一般的な費用相場は、芝生の種類や庭の状態、地域によって異なります。

基本的な費用構成は、材料費(芝生、土壌改良材、肥料など)と施工費(土壌準備、芝張り作業)に分かれます。日本芝の場合、材料費と施工費を合わせて1平方メートルあたり3,000円〜6,000円程度が相場です。西洋芝は若干安く、2,500円〜5,000円程度となることが多いです。

例えば、30平方メートル(約9坪)の庭に高麗芝を業者に依頼して張る場合、総額で9万円〜18万円程度かかると考えられます。ただし、土壌の状態が悪く、大規模な改良が必要な場合はさらに費用がかさみます。

例えば、排水不良の改善や石やがれきの除去などが必要になると、追加で数万円から十数万円の費用が発生することもあります。

業者選びのポイントとしては、実績や評判をチェックし、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。また、アフターケアや保証の内容も確認しておくと安心でしょう。

DIYで施工する場合の費用

DIYで芝生を施工する場合、労力は必要ですが、業者依頼に比べて大幅にコストを抑えることができます。

材料費としては、芝生の種類にもよりますが、日本芝(高麗芝)の場合、1平方メートルあたり数百円〜2,000円程度です。西洋芝を種から育てる場合はさらに安く、1平方メートルあたり300円〜600円程度で済みます。

これに加えて必要な資材として、土壌改良材(1袋500円〜1,000円)、肥料(1袋1,000円〜2,000円)、防草シート(1平方メートルあたり200円〜500円)などがあります。

道具としては、スコップ(1,500円〜3,000円程度)、レーキ(1,000円〜2,500円程度)、ローラー・転圧機(レンタルで1日2,000円〜3,000円程度)、芝刈り機(手動で1,600円程度〜、電動で3,000円程度〜)などが必要です。

具体的な例として、30平方メートルの庭に高麗芝をDIYで張る場合、芝生代が20,000円〜45,000円、その他資材が10,000円〜20,000円、道具代が10,000円〜30,000円程度で、合計40,000円〜95,000円ほどとなります。業者依頼の半額程度に抑えられる場合もあるでしょう。

ただし、DIYの場合は自分の労力と時間がかかること、また経験がないと上手く施工できないリスクがあることを考慮する必要があります。特に大面積の場合や、土壌条件が悪い場合は、専門知識が必要になることもあります。

また、天然芝は定期的なメンテナンスが必要なことから、ランニングコストがかかります。その点もあわせて確認しておきましょう。

芝生のお手入れ方法

美しい芝生を維持するためには、定期的なお手入れが欠かせません。適切なケアを行うことで、年間を通して美しい芝生を楽しむことができます。ここでは、芝生の基本的なお手入れ方法について詳しく解説します。

芝刈り

芝刈りは芝生のお手入れの中でも最も基本的で重要な作業です。適切な頻度と高さで刈ることで、芝生の密度が高まり、雑草の侵入も防ぐことができます。

適切な頻度: 生育期(春〜秋)には、日本芝は2週間に1回程度、西洋芝は1週間に1回程度が目安です。芝生の成長速度は気温や雨量によって変わるため、芝の長さを見て判断するのがベストです。一般的に、芝生の高さが理想の高さの1.5倍程度になったら刈り時と考えましょう。

適切な刈り高: 日本芝(高麗芝)は3〜4cm、西洋芝(ケンタッキーブルーグラスなど)は4〜5cmが理想的です。一度に芝丈の1/3以上を刈ると芝生にストレスを与えるため、少しずつ刈ることが大切です。例えば、6cmになった芝生を3cmにしたい場合は、まず4.5cmに刈り、数日後に理想の高さまで刈るという方法がおすすめです。

芝刈り機の選び方: 芝刈り機には手動式、電動式、エンジン式など様々なタイプがあります。庭の広さや予算、保管スペースなどを考慮して最適なものを選びましょう。

たとえば、30平方メートル程度の小さな庭であれば、ホームセンターで15,000円前後で購入できる手動式の芝刈り機で十分対応できます。一方、50平方メートル以上の広い庭では、作業効率を考えて電動式(20,000円〜40,000円程度)やエンジン式(40,000円以上)を検討されることをおすすめします。

水やり

水やりは芝生の健康を維持するために不可欠な作業です。特に夏場の乾燥期には、適切な水やりがなければ芝生は枯れてしまう恐れがあります。一方で、過剰な水やりは根腐れの原因となるため、適切なバランスを保つことが重要です。

水やりの基本は「少量頻繁」ではなく「たっぷりと、しかし回数は少なく」です。これは、浅い水やりでは根が地表近くにとどまりやすくなり、乾燥に弱くなるためです。週に2〜3回、朝か夕方の涼しい時間帯に、土の深さ10〜15cm程度までしっかりと湿るように水やりをすることが理想的です。

具体的な水やりの目安としては、夏場であれば1平方メートルあたり10リットル程度の水が必要です。また、雨が十分に降っている場合は水やりを控えましょう。水やりの必要性を判断するための簡単な方法として、土の中に指を入れてみて、5cm程度の深さまで乾いていれば水やりのタイミングと言えます。

自動散水システムを導入すれば、手間を大幅に減らすことができます。ホームセンターなどで10,000円前後から購入できるタイマー式の散水器具は、特に広い庭や忙しい方にとって非常に便利なツールとなるでしょう。

施肥

芝生を健康に保ち、美しい緑を維持するためには、定期的な施肥が欠かせません。芝生は成長が早く、多くの栄養を必要とするため、適切なタイミングで適量の肥料を与えることが重要です。施肥のポイントは、芝生の種類、季節、土壌の状態に合わせて行うことにあります。

一般的に、芝生の肥料には窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)の三大栄養素がバランスよく含まれているものが適しています。特に窒素は葉の成長と緑の濃さに直接関わる重要な要素です。春から夏にかけての成長期には窒素が多めの肥料を、秋から冬にかけては耐寒性を高めるためにカリウムが多めの肥料を選ぶとよいでしょう。

施肥の頻度としては、成長期(春〜秋)には月に1回程度、休眠期(冬)には2〜3ヶ月に1回程度が目安です。ただし、過剰な施肥は芝生を傷める原因となりますので、肥料の使用説明に従って適量を守ることが大切です。たとえば、一般的な芝生用肥料では、1平方メートルあたり20〜30g程度を均一に撒くのが標準的です。

施肥の効果を最大限に引き出すためには、水やりとのタイミングも重要です。肥料を撒いた後は必ず水やりを行い、肥料を土壌に溶かし込むようにしましょう。これにより肥料の成分が芝生の根にしっかりと届き、効果的に吸収されます。専用の肥料散布機を使用すると、均一に撒くことができ効率的です。ホームセンターなどで3,000円〜10,000円程度で購入できます。

雑草対策

芝生の美観を損なうもっとも大きな要因の一つが雑草の発生です。雑草は芝生と栄養や水、日光を奪い合うため、放置すれば芝生の健康状態にも影響を与えます。効果的な雑草対策には、予防と駆除の両方のアプローチが必要です。

予防策としては、芝生そのものを健康に保つことが最も効果的です。密度の高い健康な芝生は、雑草の発芽や成長のスペースを奪い、自然と雑草の侵入を防ぎます。

適切な高さでの芝刈り、十分な水やり、バランスの取れた施肥などの基本的なお手入れを徹底することが大切です。また、春先や秋口など雑草の発芽しやすい時期の前に、選択性除草剤や予防剤を使用することも効果的です。

すでに発生してしまった雑草への対処方法としては、手作業での抜き取りと除草剤の使用があります。少量の雑草であれば、根ごと手で抜くことが最も確実です。特に根の深いタンポポなどは、草抜きフォークや除草鎌など専用の除草器具(1,000円〜3,000円程度)を使用すると効率的に抜くことができます。

広範囲に雑草が広がっている場合や、手作業での対応が難しい場合には、芝生用の選択性除草剤の使用を検討しましょう。これらの除草剤は芝生には影響を与えず、雑草のみを枯らす効果があります。使用する際は、必ず製品の説明書をよく読み、適切な時期と方法で行いましょう。

たとえば、気温が高すぎる日や風の強い日の使用は避け、子どもやペットが触れない時間帯に散布するなどの配慮が必要です。

エアレーション

エアレーションとは、芝生の土壌に空気穴を開ける作業のことで、芝生の健康維持に非常に重要な役割を果たします。時間が経つにつれ、芝生の土壌は踏み固められたり、サッチ(枯れた芝の茎や根が堆積したもの)が蓄積したりして、水や空気、栄養素が根に届きにくくなります。エアレーションを行うことで、これらの問題を解消し、健康な芝生を維持することができるのです。

エアレーションの最適な頻度は、芝生の使用状況や土壌の状態によって異なりますが、一般的には年に1〜2回、春(4~6月頃)と秋(9~10月頃)に行うことをおすすめします。特に、子どもやペットが頻繁に芝生の上で遊ぶなど、踏み固められやすい環境では、より頻繁にエアレーションを行うことが効果的です。

エアレーションを行う方法は、主に「コアエアレーション」と「スパイクエアレーション」の2種類があります。コアエアレーションは、ローンパンチやタインエアレーターなどを使って土壌の一部を円筒状に抜き取る方法で、スパイクエアレーションよりも効果が高いとされています。

スパイクエアレーションは、ローンスパイクやガーデンスパイクと呼ばれる道具を土壌に刺して穴を開ける方法です。靴の上から装着して芝生を歩き回り細かい穴をあけることから、手軽に作業ができるため小規模な庭や部分的なエアレーションに適しています。

エアレーション後は、できた穴に目土(砂など)を入れると効果が高まります。目土によって土壌の排水性や通気性がさらに向上し、芝生の根の健全な成長を促すことができます。

芝生以外の庭づくりオプション

芝生は美しい庭づくりの選択肢として人気がありますが、お手入れの手間やコスト、環境条件によっては他の外構やエクステリアを選ぶ方もいらっしゃいます。砂利敷き、タイル敷き、ウッドデッキ、グランドカバープランツなど、それぞれの特徴やメリット・デメリットをご紹介します。

砂利敷き

砂利敷きは、芝生と比較してメンテナンスが格段に少なく、洗練された印象を与える庭づくりの方法です。特に和風デザインの住宅に調和しやすく、排水性にも優れているため、雨の多い地域でも安心して採用できます。

砂利敷きの大きなメリットは、雑草対策がしやすい点です。防草シートと組み合わせることで、雑草の発生を効果的に抑制できます。また、一度施工すれば長期間にわたって形状を維持し、芝刈りや水やりなどの定期的な作業も不要です。さらに、色や大きさ、形状など多種多様な砂利から選べるため、デザイン性の高い庭づくりが可能です。

一方、砂利敷きにもデメリットがあります。砂利の上は歩きにくく、特に車椅子やベビーカーの移動には適していません。また、落ち葉などのゴミが砂利の間に入り込むと取り除くのが難しい場合があります。さらに、強い雨風で砂利が動いてしまうこともあるため、定期的な整地や補充が必要になることもあります。

デザイン性を高めるアイデアとしては、大きめの飛び石を配置したり、砂利の種類や色を部分的に変えてパターンを作ったりすることで、単調になりがちな砂利敷きに変化をつけることができます。

タイル敷き

タイル敷きは、芝生よりもメンテナンスが少なく、耐久性に優れた庭をつくることができます。整然とした美しい外観を持ち、歩きやすく、テーブルや椅子を置いてくつろぎスペースとしても活用しやすいという特徴があります。

近年では、デザインやカラーバリエーションが豊富になり、洋風、和風、モダンなど様々な住宅スタイルに調和させることが可能です。

タイル敷きの大きなメリットは、耐久性と機能性の高さです。高品質なタイルは長期間にわたってきれいな状態を保つことができ、雨の日もぬかるむことなく庭を使用できます。施工時に、水はけを考慮した傾斜をつけることで、雨水の排水もスムーズに行えます。目地材やモルタルでしっかりと処理することで、雑草対策が施せるのもメリットです。

タイル敷きのデメリットとしては、冬場は冷たく感じることや、滑りやすいタイプもあるため商品選びに注意が必要な点があります。また、タイルの種類によっては、時間の経過とともに色あせや汚れが目立つようになることもあります。定期的な清掃や専用の撥水剤を塗布することで、美観を長持ちさせることができます。

デザインのアイデアとしては、異なる色や形のタイルを組み合わせてパターンを作ったり、縁取りに異なる素材を使用したりすることで、単調になりがちなタイル敷きに変化をつけることができます。また、一部に植栽スペースを設けるなど、緑との調和も考慮するとより魅力的な空間になるでしょう。

ウッドデッキ

ウッドデッキは、家と庭をつなぐ自然な空間として人気の高いエクステリア商品です。木の温かみがある見た目と、リラックスできる雰囲気が特徴で、バーベキューやアウトドアダイニングなど、様々な用途に活用できる魅力的な空間を作り出します。リビングの延長として考えれば、実質的に生活スペースを拡大する効果もあります。

ウッドデッキの素材には、大きく分けて天然木と人工木(合成木材)の2種類があります。天然木は風合いが良く自然な雰囲気がありますが、定期的なメンテナンスが必要です。一方、人工木は耐久性や耐候性に優れ、メンテナンスの手間が少ないという特徴があります。

例えば、レッドシダーなどの天然木は美しい木目が魅力ですが、1〜2年ごとに防腐剤や塗装の塗り直しが必要になります。対して、人工木は初期コストは高めですが、数年にわたってほとんどメンテナンスが不要な場合が多いです。

ウッドデッキのメンテナンスについては、天然木の場合は年に1回程度の洗浄と、1〜3年ごとの塗装や防腐処理が必要です。特に日本の気候では、雨や紫外線による劣化が進みやすいため、定期的なケアが欠かせません。専用の洗浄剤で汚れを落とし、乾燥後に防腐剤や塗料を塗布します。人工木の場合は、基本的に水洗いによる清掃のみで十分ですが、油汚れなどがある場合は中性洗剤で軽く洗うとよいでしょう。

デザイン面では、ウッドデッキの形状や高さ、手すりの有無、屋根の設置など、様々なバリエーションが考えられます。周囲の景観や住宅のスタイルとの調和を考えながら、自分たちのライフスタイルに合ったデッキを設計することで、より魅力的で使いやすい空間になるでしょう。

グランドカバープランツ

グランドカバープランツは、地面を覆うように広がる低木や多年草の総称で、芝生の代わりに地面を緑化する優れた選択肢です。これらの植物は一度定着すれば密に成長して地面を覆い、見た目にも美しく自然な雰囲気を醸し出します。芝生と比べて芝刈りの必要がなく、種類によっては水やりや肥料の頻度も少なくて済むため、メンテナンスの手間を大幅に減らすことができます。

グランドカバープランツの種類は非常に豊富で、日当たりや土壌の条件、希望する見た目などに応じて最適なものを選べます。例えば、日本芝の代替として人気の高いリッピアは、踏圧にも強く、夏には可愛らしい小さな花を咲かせます。アジュガやフッキソウは日陰でも良く育ちますし、セダムは乾燥に強いため、水やりの頻度を減らしたい場合におすすめです。

メンテナンスについては、芝刈りが不要な点が大きなメリットですが、種類によっては年に1〜2回の軽い刈り込みや間引きが必要な場合があります。また、完全に地面を覆うまでは雑草が生えやすいため、定期的な除草作業が必要です。グランドカバープランツが十分に成長して地面を覆い尽くすまでには、通常1〜2年程度かかることを考慮しておきましょう。

グランドカバープランツを選ぶ際の注意点としては、一部の種類は強い繁殖力を持っているため、周囲の植栽エリアへの侵入を防ぐための対策が必要な場合があります。また、踏圧に弱い種類もあるので、歩行が多い場所に使用する場合は適切な種類を選ぶことが重要です。

デザイン面では、複数の種類を組み合わせることで、色や質感、高さに変化をつけた魅力的な空間を作ることができます。例えば、縁取りに背の低いセダムを使い、中央部分にはアジュガやリッピアを植えるなど、立体感のある庭づくりが可能です。

まとめ

庭づくりは一度で完成するものではなく、時間とともに育て、変化させていくものです。現在の状況だけでなく、将来のことも考慮に入れて計画を立てることをおすすめします。たとえば、お子さんが小さいうちは遊べる芝生スペースを残し、成長に合わせて徐々に変更していくという方法もあります。

プロに相談することも一つの選択肢ですが、DIYで少しずつ作り上げていく過程も庭づくりの楽しみの一つです。無理なく続けられるメンテナンス方法や、四季を通じて楽しめる庭のデザインを考えながら、理想の庭づくりを実現していきましょう。

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